自分を大切にする事で、自分の世界を変える方法(シンデレラの物語07)

 

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深い森の奥。古いお城が建っていました。
その城には、 どんな悩みにも答えてくれる
「魔法の鏡」が掛けられた部屋があり
世界中から、様々な人が「魔法の鏡」
のもとへ相談に訪れるのでした。
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なぜイジメられてしまうのだろう?

 

 

鏡さん…聞いてください(涙)

 
 

まぁ、プリンセス。どうしたの。

 
 

お義母様ったら…ヒドイんです…。

 
 

そんなに泣いて。一体何があったというの?さぁ、さぁ、温かいお茶でも飲んで、落ち着いて、話してごらん。

 


シンデレラは、涙を拭いながら話し始めました。

お城で開かれる舞踏会に、村中の娘たちが招待されたこと。

義母が、すべての仕事が終わり、ドレスを用意できたら、舞踏会に連れて行ってくれると約束してくれたこと。

毎日、頑張って仕事を終わらせ、寝る間を惜しんで、母親の形見のドレスを作り直したこと。

それなのに、一生懸命に繕ったドレスを、姉たちが切り裂いてしまったこと・・・。

 

私、舞踏会に連れて行ってもらえると聞いて、嬉しくて嬉しくて。本当に一生懸命頑張ったんです。

 
 

わかりますよ。あなたのことだから、一生懸命働いたんでしょうね。

 
 

はい。ドレスだって、毎晩、遅くまでかけて縫ったんです。小鳥やネズミたちも手伝ってくれて…。

 
 

ええ。ただでさえ仕事で疲れているのに、良く頑張りましたね。

 
 

しかも、お母様の形見のドレスなのに…それを切り裂くなんて…。

 
 

どれほど悔しかったことか…。

 
 

なんで、なんで私は、こうやって、嫌なことばかりされてしまうのでしょう。こんなに我慢しているっていうのに…なぜ意地悪ばかりされてしまうのですか?

 
 

そうね。あなたは本当によく我慢しているわ。そんなあなたに、こんな話をするのは、私も心苦しいのだけど…。

 
 

やはり、私に何か原因があるんですか?

 
 

いいえ。あなたは何も悪くないのよ。ただね…。私たちの心というのは、とても不思議なものでね。心の中で思っていることを、現実の世界に作り出してしまうのよ。

 
 

心の中で思っていることを、現実に作り出す?

 
 

まさかと思うかもしれないけど、聞いてちょうだいね。

 

自分の心が、現実を作り出す??


あなたは自分のことを、どんな風に扱っていますか?
自分自身のことを、どのような存在だと思っていますか?

そんなこと突然聞かれても、よくわかりませんよね。

自分が自分のことを、どのような存在と思っているかなんて、普段はあまり考えることはないでしょう。

また、いくら考えても、答えることは難しいかもしれません。

そんな時、あなた周りにいる人たちや、日々生活する環境を思い返してみて下さい。

今、あなたの周りには、どんな人がいますか?

大切な人と共に、穏やかな生活を過ごしていますか?
一人、自分の部屋にこもっていますか?

不安な世の中ではありますが、

大切な人と繋がっていると感じていますか?
それとも、孤独や孤立を感じていますか?

私たちの心というものは、とても不思議なもので、自分が思っている通りの世界を自分の周囲に作り出します。

「自分は多くの人に愛される価値のある存在だ」と思っている人の周りには、たくさんの人が集まり、あなたを大切に扱ってくれます。

「自分みたいな人間は、誰からも愛されない」と思っている人の周りからは、なぜだか人が離れていきます。

「自分は意地悪されるにふさわしい存在だ」と思っている人は、不思議と意地悪ばかりする人と出会ってしまうのです。

自分が自分を嫌いイジメていると、実際にそのような人と出会ったり、そのような出来事が起きたり。

自分の心が思い描いている通りの現実が、目の前にやってきたりするのです。

 

自分が自分の周りの世界を作り出しているなんて、そんなの、ちょっと信じられないわ。

 
 

そうよね。でも、思い出してみて。例えば、お義母様が飼っている太った猫。あの子はどうかしら?

 
 

何もしないで、一日中ゴロゴロして。それなのにお義母様からとても愛されています。

 
 

そうでしょ。あの猫は、自分は愛されるのいふさわしと思っている。だから、現実でも、何もしなくても愛されているのよ。

 
 

じゃあ、私がイジメられてしまうのは、イジメられるのがふさわしいと思っているから、ということなのですか

 
 

厳しい事を言ってしまて、ごめんなさいね。でもね、心の中で、あなたが自分を嫌ってイジメているとしたら、現実の世界でも、イジメられやすい状況を作り出してしまうのよ。

 
 

心の中で自分をイジメていると、現実でもイジメが起こるということですか?

 
 

ええ。ちょっとわかりにくいわよね。

 
 

はい。・・・それは、どうしてなのでしょう?もう少し、詳しく教えてもらえますか?

 
 

私たちはね、自分が感じることは、他の人も同じように感じるはずだという、思い込みフィルターを通して世の中を見ているの。

 
 

鏡さん・・・ますますわかりません・・・。

 
 

あら・・・そう(汗)

 

あなたの世界は、あなたの思い込みからできている!?


私たちは、「自分が感じることは、他の人も同じように感じるはずだ」という思い込みのフィルターを通して世の中を見ています。

例えば、

夕日を見て美しいと感じた時、誰もが、自分と同じように美しさを感じている、と思っています。
わざわざ意識しているわけではありませんが、なんとなく、みんなそう思うと感じているのです。

しかし実際には、同じ夕日を見て、物悲しく感じる人もいるでしょう。

夕飯の支度を思い出し、心がせわしくなる人だっているはずです。

ですが、私たちは、自分が夕日を見てキレイだなぁ、と思っている時、悲しさを感じる人や、せわしさを感じる人がいるなんて、想像もしないのです。

この夕日を見ている人みんなが、自分と同じように感じていると、なんとなく、そう思い込んでいるのです。

嫌われてると思うのは、自分が自分を嫌いだから


人の心の中でも、これと同じようなことが起こります。

自分が自分を嫌っている時、私たちは、

「自分が自分を嫌いなように、まわりの人も自分を嫌うだろう」

と思い込んでしまうのです。

自分すら嫌っている自分を、好きになる人などいるはずがない。そんな風に感じるのです。

嫌われると思ったら、あなたはどんな態度をとると思いますか?

距離を置いたり、気を使ったり、ヨソヨソしい態度になったりしますよね。

そして、嫌われるという恐れから、相手の人を警戒し、嫌われないように気をつける事でしょう。

では、あなたにそんな態度を取られた相手の人は、どんな風に感じるでしょうか?

警戒された人は、あなたに対して、近づきにくさを感じるかもしれません。
自分は嫌われているのかもと思い、距離を置くこともあるでしょう。

こうして距離を置かれた私たちは、やっぱり自分は嫌われている、と確信するようになるのです。

始めに距離を置いたのは、自分の方だとは気付きもせずに・・・。

 

ちょっと、ややこしいのだけど、この感覚わかるかしら?

 
 

ええ。何となく、わかるような気がします。

 
 

あなたは、お義母様に対して、いつもどんな風に接しているかしら?

 
 

・・・いつも怖いな、と思いながら接しています。

 
 

そうよね。そして、怖い人として扱われたお義母様は、ますます怖い人になる、という訳なのよ。

 
 

じゃあ、やっぱりこの厳しい現実は、自分が作り出していたと言うことなのですね。

 
 

あなたが悪いわけじゃないの。お義母様を怖いと感じてしまうのは当然のことよ。
ただ、心にはこういう仕組みがあるということ知っておいてもらいたくてお話したの。

 
 

はい。ありがとうございます。

 
 

決して、お義母様を正当化しているわけではないのよ。意地悪をしてしまうというのは、彼女自身の問題。あなたが悪いわけではない。

 
 

では、何が問題なのでしょう?

 
 

プリンセス、もし、あなたに問題があるとするならば、それは、あなたが自分自身のことを大切にしていない、ということよ。

 
 

自分を大切にしていない?

 

自分のこと、大切にしてますか?


ここに二つの指輪があるとします。

一つは、銀座のハリーウィストンで買った1ctのダイヤの指輪。
もう一つは、駅ビルの雑貨屋さんで買ったガラス玉の指輪。

あなたなら、この二つの指輪をどのように扱いますか?

間違いなく、ダイヤの指輪は、慎重に、大切に扱うはずです。
輝きを失わないように丁寧に磨き、きちんとしたケースにしまうかもしれません。

そして、もし誰かに触れさせるとしたら、その人にも、大切に扱ってくれるようお願いすることでしょう。

大切なものだから、大事に扱ってね、と。

それに対してオモチャの指輪はどうでしょう?
多少、雑に扱われても、それほど気にならないのではないでしょうか?

間違って床に落とされても、その辺に転がされても、ダイヤの指輪を落とされた時とは、明らかに違う反応をするはずです。

分かりますか?
この感覚なのです。

私たちは、物だけでなく、自分自身に対しても、同じような感覚を持っています。

自分の価値を認め、大切な存在だと思っている人は、自分自身のことも、大切に扱います。

もちろん周りの人にも、大切に扱ってもらう事を望みます。

イジメも、暴力も、二股も、自分を傷つける人はお断りです。

すると、周囲の人は、自分を丁寧に扱うあなたを見て、あなたを丁寧に扱おうとしてくれるようになるのです。

でも、自分が自分を粗末に扱っているとしたら?

それを見たまわりの人は、この人は雑に扱ってもいい人なんだ、と感じるようになってしまうのです。

自分自身も、雑に扱われても「やめて」と言うことができません。

なぜなら、

心のどこかで、自分は雑に扱われても仕方のない存在だと思い込んでいるからです。

こうして、自分をイジメている人の周りには、攻撃する人が寄ってくるという現実が起こるのです。

決して、イジメをする人を認めている訳ではありません。

本当の問題は、人をイジメる人にこそあるのですから。

自分を大切にしていないと、そういう人に対して「それはイヤ」「やめて」と言うことができなくなってしまいます。

結果、イジメを受け入れ、自分が自分を粗末に扱う事となってしまうのです。

これが、「あなたの心が、あなたの現実を作る」という事なのです。

 

難しいかもしれないけど、何となくわかってもらえたかしたら?

 
 

はい。なんとなくは理解できました。
では逆に、私が自分を大切にし始めたら、周りも大切にしてくれるようになるということですか?

 
 

ええ、そうよ。あなたが自分自身を大切にするようになると、自分の中に、大切にされるという感覚が芽生え始めるの。

 
 

大切にされる感覚・・・。

 

自分を大切にすると、あなたの世界が変化する


あなたが自分を大切にし始めると、あなたの中で、徐々にその感覚が当たり前のものとなって根付いていきます。

この感覚が当たり前のものになってくると、イジメられたり、攻撃されたりする環境が、不当なものであると分かるようになってきます。

自分は、そんな扱いを受けるような存在ではない。
ここは自分の居場所ではない。
この状態から抜け出したい。

そんな風に思えるようになるのです。

そして、自分を大切に扱えるようになった分、私たちは、ほんの少しの強さを手に入れます。

イヤなことは「イヤ」、やめて欲しいことは「やめて」と、ハッキリ言える強さを身につける事ができるのです。

自分を大切にできる自分。
自分が望まない環境を受け入れない自分。

そんな風に、あなたが変化し始めた時、あなたの周りの世界は、確実に変わり始める事でしょう。

 

あなたは、本来は、もっと大切に扱われるべき人なのよ。それだけの価値がある人なの。自分の価値を、あなた自身が認めてあげるのよ。

 
 

私の価値?

 
 

そう。あなたが、自分の価値を認めた時、きっとあなたの周りで不思議な事が起こるわ。

 
 

不思議な事?

 
 

ええ。そして、自分の価値を認め、本来の輝きを取り戻した時、あなたは、自分にふさわしい世界に行く事ができるのよ。

 
 

あぁ、なんだかワクワクしてきました。

 
 

そうそう。まずは、そんな風に感じることが大切よ。

 
 

これからは自分を大切にしていこうと思います。

 
 

そうよ。そして、自分を信じてごらんなさい。きっと世界が変わり始めるから。

 
 

はい。ありがとうございました。

 

 

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ボーーーン、ボーーーン、ボーーーン

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まとめ

いかがでしたか?

自分の心が現実を作り出しているという考え方、何となくはご理解いただけましたか?

私たちは、いつも、自分が思っている以上に、自分のことを攻撃しています。

その攻撃が、自分に厳しい環境を作り出してしまう事があるのです。

他の人ばかり優しくして自分のことは後回し。

他の人のことは大切するのに、自分に対しては雑。

あなたも、心当たりがあるのではないでしょうか?

今、私たちは、とても厳しい環境に置かれています。
これから先の未来に、不安を感じている人も多いでしょう。

決して、心ですべてが救える訳ではありません。

でも、自分自身を大切にすることで、少しでもあなたの心が穏やかになってくれたなら、とても嬉しく思います。

一日も早く、あなたの元に、平和な日常が戻りますように。

 

 

 

 

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