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深い森の奥。古いお城が建っていました。
その城には、 どんな悩みにも答えてくれる
「魔法の鏡」が掛けられた部屋があり
世界中から、様々な人が「魔法の鏡」
のもとへ相談に訪れるのでした。
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夢はひそかに♪
鏡よ鏡、鏡さん。今日も、お話を聞いてもらえまえせんか?
こんにちは、プリンセス。
今日はどうしたのかしら?
あの後、大変なことが起こったんです。
まぁ、何が起こったと言うの?またお義母様にイジメられてしまった?
違うんです。あの日、鏡さんにのお話を聞いて。今まで、本当に自分が自分を大切にしていなかったと気がついたんです。そして、帰り道、決めたんです。
これからは、もっと自分を大切にしよう。自分の価値を認めよう。
まぁ、よかった。あなたが決めれば、人生は一瞬で変化するわ。
そうなんです。そしたらね、すごい事が起こったんです。
シンデレラは、自分の身に起こった夢のような出来事を、夢中で話し始めました。
自分を大切にすると決めはしたものの、そう簡単に現実は変わりませんでした。
やはり舞踏会には連れて行ってもらえず、シンデレラは、お義母様たちの乗った馬車が立ち去るのを泣きながら見送りました。
自分には、もうこれ以上できることはない。誰か助けて・・・心の中で叫び、さめざめと泣いていたその時です。
突然、目の前に魔法使いが現れたというのです。
魔法使いは、シンデレラに、素晴らしいドレスとカボチャの馬車。そして、足にピッタリのガラスの靴を用意してくれました。
そして、こう言ったそうです。
「12時の鐘が鳴り終わるまでに帰っていらっしゃい。鐘が鳴り終わると、すべての魔法が解けてしまうから。」
シンデレラは、お城の舞踏会で王子様と出会い、時間が経つのも忘れて踊り続けました。
王子様の温もりと優しさ、そして心からの幸せを体中で感じていたその時。
突然、12時の鐘が鳴り響きました。
シンデレラはハッと我に返り、追いかける王子様を振り切って、逃げるように帰って来たというのです。

夢の時間のその後は?
本当に、夢のような時間でした。私にこんな幸せが訪れるなんて。王子様は、私のことを、本当に優しい目で見つめてくれて。耳元で、「私の妃になって下さい」って言ってくれたんです。あぁ…まだ、あの夜が忘れられません。
あなた、なんで帰って来たの?
何って?馬車で。
そうじゃなくて!!お城の舞踏会は、王子様のお妃となる人を探すためのものだったのでしょう?
はい。そう聞いてます。
その舞踏会で、あなたは王子様に「妃になってくれ」と言われた。なのに、どうして逃げ帰って来てしまったのかと聞いているんです。
え?だって、魔法が解けたら、元のみすぼらしい姿に戻ってしまうじゃないですか。
それがなんだというの?
だって、元の姿を見られたら、王子様に嫌われてしまいます。
プリンセス。元の姿の自分を嫌っているのは、王子様じゃなくて、あなた自身よ。
え?

あなたを嫌っているあなた
本当の自分を見せたら、嫌われるに違いない。
そのままの自分でいたら、人は離れていくに違いない。
ダメダメダメダメ・・・。
バレないように隠さなきゃ。
あなたの中にも、このような気持ちが隠れてはいませんか?
私たちは、本当の自分を見せたら、人から嫌われてしまうと感じています。
こんな自分がバレたら、めっちゃ悪口言われる、誰も自分となんて付き合ってくれない、みんなが離れていく、そんな風に思っているのです。
でも、それは真実でしょうか?
この時、あなたのことを嫌っているのは、いったい誰なのでしょう?
誰よりも、ありのままのあなたを嫌っている人。
それは、あなた自身なのです。
前回もお話をしましたが、私たちは、自分が感じているのと同じように、相手も感じているはずだ、という思い込みを持っています。
自分にとっての当たり前は、相手にとっても当たり前と思っているのです。
信号が赤になったら、停まるのが当たり前。
行列ができていたら、最後尾に並ぶのが当たり前。
でも、国によっては、信号の色なんてお構いなしに横断する国や、並ぶところか、列さえ作らないのが当たり前という国だってありますよね。
文化や生活習慣で考えると、なんとなくわかりやすいのではないでしょうか。
私たち日本人にとっての当たり前は、他の国に行ってしまえば、決して当たり前ではありません。
でも私たちは、それが当たり前だと思って暮らしているのです。
実は、これと同じような事が、見えない心の中でも起こっています。
自分が思っていることは、人も同じように思っていると感じているのです。
という事は
「最近、太っちゃった!」
と思っているならば、
みんなが「あの人、太ったよね」と思っているに違いないと感じるし、
「私って最低!」
と思っているならば、
みんなも「アイツって最低!」と思っているに違いないと感じる、ということです。
自分で自分を責めている分、人も自分を責めているはずだと感じてしまうのです。
嫌われたくない私たちは、嫌われないように、悪い自分、ダメな自分、みにくい自分を一生懸命に隠そうとします。
メイクしたり、寄せてあげたり。
気が効くフリに、理解あるフリ。
明るいフリ。賢いフリ。
もしかしたらあなたも、ツイツイやってしまった事があるのではないでしょうか?
あなたは、自分の全てを知られたら、嫌われてしまうと思っているのではないかしら?
・・・はい。みすぼらしい姿を見せたら、好きになってもらえないと感じています。
もし、王子様が「着飾ったあなたは愛しているけど、灰だらけのあなたは愛せない」と言ったら?あなた、そんな王子様と一生やっていける?
・・・うーん
キレイなあなたしか愛してくれない王子様を、愛し続けることができるかしら?
・・・ちょっと厳しいですよね。

本当に愛されたいものは何?
この隠したいと思っている部分は、あなたのコンプレックスでもあります。
コンプレックスを嫌っているあなたは、この部分を、一生懸命に隠そうとします。
でも、本当はね、
コンプレックスというのは、あなたが一番愛してもらいたい部分でもあるのです。
もし、大好きな人に、あなたのコンプレックスを愛してもらえたら、どんな気持ちになるしょう?
ずっと誰にも見せずに隠し続けてきた部分を、大好きな人に愛してもらえた時、
私たちは、「心からの安らぎ」という素晴らしい感情を手に入れる事ができます。
そして、あなたが嫌い続けてきた部分を愛してもらえた時、二人はとても強い絆で結びつく事ができるのです。
そんな気持ち味わってみたくはありませんか?
そんな関係を築いてみたくないですか?

信じていれば夢は叶うもの♪
さあ、もう隠れるのはおよしなさい。王子様に、本当のあなたを見せるのよ。
でも・・・
今のあなたは、王子様を、見せかけの美しさに騙される、バカな男にしてしまっているわ。
え?
王子様が、キレイに着飾った見せかけのあなたを好きになったとお思い?あなたが愛した人は、そんなバカな男なのかしら?
いいえ。彼は本当に素晴らしい方です。
そうね。そして、その素晴らしい人が選んだのがあなたなのよ。彼は、たくさんの女性の中から、たった一人、あなたを選んだの。
信じられないけど・・・そうですよね。
もう、自分を偽るのはおよしなさい。自分の価値を認めるの。
私の価値・・・
『信じていれば夢は叶うもの〜♪』あなた、いつも歌っているわよね。
はい。
あの歌は本当よ。信じていれば夢は叶う。でも、何を信じているかが問題なの。今のあなたは、「自分は愛されるはずがない」「自分は幸せになってはいけない」そう信じているのではなくて?
・・・その通りだと思います。
私は、幸せになってはいけない。心の奥で、そんな風に感じています。
なぜそう感じるのかしら?
いつもそうなんです・・・。
いつも?前にもあったということ?
幸せは、はかなくて一瞬で消えてしまう・・・
だから、幸せになるのが怖い?
失うくらいなら、最初から手に入らない方がいいんです。もう大切な人を失うのには耐えられない・・・。
お父様の事ね。あなたの中には、とても大きな恐れがあるようね。

幸せになることへの怖れ
私たちは、愛される喜び以上に、傷つくことを恐れています。
一瞬喜んで、その後、失うくらいなら、最初から期待しない方がいいと思ってしまうのです。
大好きになった挙句にフラれてしまったら、とてもじゃないけど耐えられない。だったら、最初から近付かないでおこう。期待しないでおこう。
特に、失恋や離別、死別など、大きな喪失を体験すると、私たちは、あまりの辛さから自分自身を守るために、こんな風に考えるようになります。
また誰かを好きになってしまったら、失った時に時に辛すぎる。
だったら、最初から好きにならずにいよう。
こうして、人に自分を見せず、心を閉ざすことで自分自身を守ってきたのです。
でもね、
その考え方は、あなたを幸せにする考え方でしょうか?
あなたを大切に思う人たちを、幸せにする考え方ですか?
確かに、心が傷ついている時、その考えは、あなたを守ってくれたかもしれません。
でも、もしこれからあなたが幸せになっていくために、その考え方が重しになっているとしたら?
もうソロソロ、その考えを手放す時がやってきているのかもしれません。
さぁ、プリンセス。どうしますか?幸せと怖れ、どちらを選びますか?
無理よ、無理・・・。
もちろん、まだ恐れの中に留まることを選ぶこともできる。
でもね、そうすると大好きな王子様に、あなたを愛させてあげる事はできないわ。
私を愛させる…王子様に…。
そうですよね。私…幸せを選びます。幸せになりたい。
よし!では、最後の実習を始めますよ。
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ボーーーン、ボーーーン、ボーーーン
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